廻り縁や巾木って必要!?~実は大切な役割があります~
天井と壁の間にある「廻り縁」と、床と壁の間にある「巾木」。
壁紙や床材の仕舞いを美しくする役割がありますが、
ほかにもいろいろな役割があります。
空間のイメージにも大きな影響がある
廻り縁と巾木について学んで
お気に入りの空間づくりにも生かしてくださいね!
廻り縁 とは?
天井と壁の間にあって、天井をぐるりと囲っている部材のことを「廻り縁」といいます。廻り縁が果たしている役割には、次のようなものがあります。
天井と壁の間をきれいに見せる
廻り縁の大きな役割は、天井と壁のつなぎ目をきれいに見せること。
異なる仕上げ材がつながる部分をきれいに見せる部材を「見切り縁(ぶち)」といい、廻り縁も、見切り縁の一つです。
天井の部材と壁の部材をジャストサイズに美しく仕上げるのは難しいため、廻り縁を取り付けて見切るのです。
築後できるすき間を隠す
木造住宅の場合は、建築後何年か経ってクロスがはがれてきたときに、天井と壁の間の隙間が目立ってきてしまいます。
また、湿気や気温の変化によって骨組みの木造が多少動くこともあります。
そんなときに、すき間を目立たなくしてくれるのが廻り縁です。
建築費用を抑えるために、廻り縁をなしにしたいと考える方もいるかもしれませんが、廻り縁をつけておくことでメンテナンスがラクになります。
雰囲気づくりにも生かせる
廻り縁は、素材も色もデザインもバリエーションが豊富。
エレガントで大きな廻り縁を使用してゴージャスな空間をつくることもできますし、目立たない廻り縁を使ってシンプルなイメージの空間つくることもできます。
巾木とは?
部屋や廊下の壁と床の境にある部材のことを「巾木」といいます。
巾木が果たしている役割には、次のようなものがあります。
床と壁の間をきれいに見せすき間を隠す
巾木は廻り縁と同じく見切り縁の一つで、床材と壁のつなぎ目をきれいに見せる役割があります。
また、床や壁が多少動いたとしても、その力を逃がしてくれる働きもあります。
熱が逃げるのを防ぐ
床と壁のすき間から冷暖房の熱が逃げるのを防いだり、ホコリやゴミなどがすき間に侵入するのを防いだりする役割もあります。
掃除機やワックスなどから壁を保護
巾木には、壁の汚れや傷を防いでくれるという働きがあります。
掃除機をかけたりお掃除ロボットを稼働させたりしていると、どうしてもヘッドの部分が壁に当たってしまいますが、その際に壁を保護してくれます。
また、フローリングにワックスをかける際に、壁紙がワックスを吸収してしまいシミになるのも防いでくれます。
お気に入りの空間づくりのために
廻り縁や巾木は、家全体に対する面積は小さいですが、色や形、大きさによって雰囲気が変わります。
お気に入りの空間にこだわりたい方は、十分検討しましょう。
引き締まったイメージをつくりたい場合
お部屋全体をしまったイメージにしたい場合は、廻り縁や巾木をアクセントに使うようにしましょう。
濃いめの色の廻り縁や巾木を使用することで、メリハリがつき、部屋全体がしまって見えるようになります。
広がりを出したい場合
巾木や廻り縁を床材や壁紙の色と同じにしてなじませると、すっきりと広がりを感じられる空間になります。
廻り縁や巾木といった細かな部材一つひとつが、機能的な役割を果たすだけでなく、空間のイメージに大きな影響を与えるんですね。
これからお家を建てる方は、ぜひいろいろな建築事例を見て研究してみてくださいね!