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災害に強い家づくり~土地の特性や家の構造を知って対策を~


9月1日は、防災の日。
今年はとりわけ自然災害が多く、これから家を建てるなら
何よりも災害に強い家にしたいと
思われた方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、災害に強い家づくりのための
ヒントをお伝えしたいと思います。

防災の日に見直そう

毎年9月1日は「防災の日」であること、ご存じですか?

 

1923年(大正12年)9月1日に発生し10万人以上の死者・行方不明者を出した関東大震災にちなみ、1960(昭和35)年に閣議決定され設けられた啓発日だそうです。

 

「政府、地方公共団体等関係諸機関をはじめ広く国民が台風、高潮、津波、地震等の災害についての認識を深め、これに対処する心構えを準備する」ことが目的で、この日を含む1週間は「防災週間」と定められ、全国各地で避難訓練が行われます。

 

とりわけ今年は、地震、豪雨、土砂崩れなど災害が続いて発生し、多くの方々が被害に遭われ、家屋も損壊、浸水など大きな被害に見舞われました。

 

防災の日を前に、お住まいのお家は自然災害に強い家になっているか、見直してみてはいかがでしょうか。

ハザードマップをチェック

http://www.city.osaka.lg.jp/kikikanrishitsu/page/0000300824.html
(大阪市ホームページ水害ハザードマップより)

ハザードマップとは、発生の予測される自然災害について、その被害の及ぶ範囲、被害の程度、避難の道筋、避難場所を表にした地図のこと。
被害予測地図ともいわれます。

 

河川の氾濫による住宅への浸水、土砂災害、地震、火山の噴火、津波・高潮などの災害により、どのような被害がどの地域で起こりうるかを示しているので、自分たちが住んでいる場所で、どんな災害が起こりうるのかを知ることができます。

 

ハザードマップは、国土交通省のホームページや、お住まいの地方自治体のホームページに掲載されているので、これからお家を建てる予定の方も、土地選定の段階でぜひチェックしておいてくださいね。

災害に強い家のために

〇地震対策

~建築基準法で定められている耐震性があるか~

建物の耐震性については建築基準法で定められており、大地震が起こるたびに改正が繰り返されてきました。
現在、宮城沖地震を受けて1981年に大きく改正された「新耐震基準」を満たしている建物なら一定の耐震能力を備えているという目安になっています。

 

阪神淡路大震災発生後の2000年には、さらなる耐震性の向上が図られています。

 

1981年以前に建てられた家に住んでいる場合は、耐震診断をして、もしも耐震強度が満たないと判断された場合は、耐震補強をしておきましょう。

 

~「耐震」「免震」「制震」3つの構造を知る~

耐震性をもつ建物の構造は、「耐震」、「免震」、「制震」という3つに分けることができます。
耐震構造は、地震が発生したときに建物に生ずる応力に十分に耐え得る強さの設計を実施することで安全性を確保するものです。

 

免震構造は、建物の足元にゴムと鉄板を交互に重ね合わせた積層ゴムなどの免震装置を設置し、建物の長周期化をはかり、地震との共振を避けることで安全性を確保するものです。

 

制震構造は、建物の揺れを制震ダンバーなどによりエネルギーを吸収させ、揺れを減らすものです。

 

これら3つのうち複数を組み合わせることで、相乗効果でより地震に強い家をつくることができます。お家を建てる際にはよく確認しましょう。

 

~地盤の強さを知る~

地震の際に家を守るためには、地盤の強さも重要です。
地盤の生い立ちを調べたり、専門家の意見を聞いてその土地の強さを確認しておきましょう。

 

盛土を含む地盤の上では、地震の際に傾きやすいですが、切土の上の住宅は傾きにくく、砂室の地盤では、地下水で飽和状態の時に地震が起こってしまうと、液状化現象が懸念されます。

 

建築基準法でも、地盤がどれだけの加重に耐えられるかを表す「地耐力」に応じた基礎を設計するように定めています。

〇洪水対策

お家の近くに河川があり、氾濫の恐れがある場合は、基礎をつくる前に土を盛り上げて高さを確保する「盛り土」をしたり、基礎自体の高さを通常よりも高くつくる「高基礎」などを採用して、浸水しにくい基礎をつくっておくことを考えましょう。

 

万一、床下浸水になってしまった場合は、床をはがして土砂を取り除いて清掃したり、乾燥させたり、消毒したりと大がかりな補修を行わなければなりません。
ハザードマップを確認して、もしもの時に備えて家づくりにも生かしましょう。

〇台風・強風対策

台風対策についても、構造壁の必要配置面積の基準が建築基準法において定められています。
しかし最近多く発生している竜巻には、基準法に定められたものはなく、屋根を吹き飛ばすだけではなく、基礎から根こそぎ倒してしまうというような甚大な被害をもたらしています。
風圧力にも強い家のためには、屋根に飛散防止のあおり止め金具をつけたりするなどの対策をとる必要があります。


家族が安心して安全に過ごせるお家のためには、専門家の知恵を借りながら自分たちもしっかりと調べて対策することが大切ですね。
そして、強い家が強くあり続けるために、雨漏りやきしみ、外壁のひびなどをチェックして、きちんとメンテナンスしていきましょう。